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規約・ポリシーTikTok ShopでAI生成動画は使えるか|規約上の扱いと実務の線引き
日本向けのTikTok Shop公式ヘルプは「AI生成コンテンツ(AIGC)は、TikTok Shopコンテンツポリシーおよびコミュニティガイドラインを遵守する限り、TikTok Shopでの利用が認められています」と書いています(2026年3月31日更新・適用対象:日本)。論点は「使えるか」ではなくどこから禁止行為になるかです。公式ヘルプで確認できた記述と、確認できない論点を分けて整理します。
- 公式が認めていることと、開示しても禁止されること
- 開示の三つの方法と、公式AIツールの素材条件
- 景表法・薬機法で落ちる表現と、公開前チェック表
01公式の結論は「開示すれば使える」
公式ヘルプはAIGCを「AIツール(例:スクリプト、音声、アバター、画像、アニメーション)によって全部または一部が生成され、人間による関与がほとんど、あるいは全くないコンテンツ」と定義します。
名指しで禁止されているのはAI生成であることが明確に開示されていないコンテンツと、有名人・医療専門家・政治家・公人になりすますコンテンツです。後者は「適切に開示されている場合であっても禁止」とされ、開示では救われません。
| 論点 | 公式ヘルプの記述 | 実務上の読み方 |
|---|---|---|
| 利用可否 | ポリシーとガイドラインを遵守する限り認められる | AI利用自体は論点にならない |
| 開示 | AIを使用していることを明確に表示する必要がある | 投稿テンプレに開示欄を固定 |
| 未開示 | 禁止・執行措置の対象となる場合がある | 「バレなければ」は成立しない |
| なりすまし | 有名人・医療専門家・政治家・公人は開示しても禁止 | 開示で解決しない層がある |
| ラベル | 設定が有効なことだけを理由に制限されない | 開示を伏せる動機がない |
出典:公式ヘルプ「AI生成コンテンツ(AIGC)」「同 解説」(2026年9月2日確認)
「コンテンツ・ポリシー」(2026年6月15日更新)のAI生成コンテンツ欄には「なりすまし又は編集されたコンテンツ等、AI生成コンテンツ(AIGC)は禁止されています」という一文があります。専用ページ二つとは粒度が違い、どちらが優先するかは明記されていません。専用ページの条件を満たし、なりすましと加工表現を避けるのが安全側です。
02開示は三つの方法のどれか一つで足りる
公式ヘルプは開示を「以下のいずれかの方法で表示できます」と示します。一つは画面上のテキスト、透かし、ステッカー、動画説明欄のメモ。もう一つは投稿時のスイッチで、オンにすると左下に「クリエイターがAI生成と明記」のラベルが出ます。
重要なのは「AIが映像、音声、アバター、商品デモンストレーションなどに実質的に関与している場合は、人による編集やナレーションが加えられていても開示する」という記述です。人の手が入っていることは開示免除の理由になりません。
| 開示ルート | 具体的な操作 | 公式ヘルプ上の位置づけ |
|---|---|---|
| コンテンツ内で示す | 画面テキスト・透かし・ステッカー・説明欄のメモ | 「いずれかの方法」の一つ |
| 表示ツールを使う | 投稿時にスイッチをオン。左下にラベルが出る | 同じく一つ。推奨にも記載 |
| タイトル・説明文 | タイトルや説明欄に明記。ハッシュタグ表記も例示 | ベストプラクティスに明記 |
| 公式AIエフェクト | 操作不要。自動でラベルが付与される | 「追加の操作は不要」と明記 |
| 自動判定 | 特定の技術的メタデータがあると自動付与 | 付与後は削除できない |
出典:公式ヘルプ「AI生成コンテンツ(AIGC)の解説」(2026年9月7日再確認)
公式ヘルプは自動ラベルについて「ラベルが付いていることのみを理由として、追加のペナルティや配信制限を受けることはありません」と明記しています。伏せる運用は、得るものがないまま未開示違反のリスクだけを負います。
03公式AIツールには素材条件と生成上限がある
セラーセンターには公式のAI動画生成機能があります。公式ヘルプ「AI動画制作ツール」(2026年6月4日更新・適用対象:日本)によると、場所はセラーセンター>カート付き動画>コンテンツ作成>AI動画制作ツール。生成は1回あたり既定3本、1日に最大10回まで、所要時間は動画が約30〜45分、スクリプトが約5分と案内されています。機能改善で変わる前提で読みます。
| 項目 | 公式ヘルプの記載 | 運用上の注意 |
|---|---|---|
| 生成本数 | 1回あたり既定3本、1日に最大10回まで | 1日の枠を先に配分する |
| 所要時間 | 動画は約30〜45分、スクリプトは約5分 | 投稿日の当日に生成を始めない |
| 画像素材 | 1080p以上。商品が隅々まではっきり見える複数枚 | 720p以下や不明確な画像は避ける |
| 動画素材 | 9:16・1080p以上。編集の痕跡がない実写素材 | 字幕・装飾文字入りは入れない |
| 混在 | 高品質な画像と低品質な動画を同時に入れない | 良い画像だけのほうが揃う |
| プロンプト | 「セールスポイント」「価格・プロモーション」の入力を推奨 | プリセットをそのまま使わない |
出典:公式ヘルプ「AI動画制作ツール」(2026年9月2日確認)
このツールの出力に自動でAI生成ラベルが付くかは、確認した公式ヘルプに明記がありません。自動付与の説明は「TikTok公式AIエフェクト」と「特定の技術的メタデータを含むコンテンツ」についてのものです。自動付与を前提にせず、自分で開示します。入力素材にAI生成物や編集済みの完成版を使わないよう案内されている点も見落としやすい箇所です。
04分かれ目は「実物と一致するか」
禁止項目を並べると判断軸は一つに収束します。公式ヘルプは「AI生成の商品ビジュアルは、実際の商品および出品の詳細(色、サイズ、素材、機能、デザイン、形状、重量など)と一致していなければなりません」と定めます。禁止例は、実際より大きく/小さく見せる、パッケージを別物に見せる、平面(2D)を立体(3D)に見せる、静止した商品を非現実的に動かす、実際にない発光や照明効果を足す、など。防水仕様でないスマートフォンが水中で動作しているように見せる例も挙げられています。
| 用途 | 公式ヘルプ上の扱い | 満たすべき条件 |
|---|---|---|
| 複数アングルで見せる | 「良いAI生成コンテンツ」の要件として例示 | 細部・色・パッケージが一貫 |
| 価格や特徴のテロップ | 実際の商品情報に基づく紹介は可 | 価格・機能・サイズ・付属品と一致 |
| 架空キャラクター | 生成して使用することは可能と明記 | AI生成を明示。権利の許諾は別問題 |
| 使用シーンの再現 | 本来想定されない環境で機能させるのは禁止 | 実際に成立する使い方に収める |
| ビフォーアフター | 誇張されたビフォーアフター表現は禁止 | 開示では救われない。実写に替える |
| 人物の推奨・証言 | 有名人・医療専門家・政治家・公人は開示しても禁止 | 実在人物に似せたアバターも避ける |
出典:公式ヘルプ「AI生成コンテンツ(AIGC)の解説」(2026年9月7日再確認)
量産の扱いも明記されています。「同一またはほぼ同一の動画を複数作成・投稿すること」「同じ台本、ビジュアル、または構成を使い回し、わずかな変更のみを加えた販促動画を複数投稿すること」は禁止です。AIで本数を稼ぐ発想そのものが違反の入口になります。
05景表法と薬機法は表現そのものを見る
ここからは国内法令の話で、ポリシーとは別に効きます。要点は法令はAIで作ったかどうかを区別しないこと。表示内容が実際と違えば、生成手段は関係ありません。
景品表示法は、品質を実際より著しく優良と示す表示(優良誤認・第5条第1号)と、取引条件を著しく有利と誤認させる表示(有利誤認・同2号)を禁じます。さらに第7条第2項の不実証広告規制では、消費者庁が表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができ、提出されない場合は不当表示とみなされます。AIの演出映像はこの根拠資料になりません。
薬機法側は公式ヘルプ自体が触れています。「医薬的な効能効果の不適切な表示」は、医薬品として承認を受けた商品以外に医薬的な効能効果を謳うことは法律で禁止されているとし、プラットフォーム上でも禁止すると明記。「体重管理の主張」では、減量や筋肉増強を主眼とするコンテンツはトラフィック制限の対象になる場合があるとされています。
| 観点 | AI動画で起きやすい形 | 差し替えの方向 |
|---|---|---|
| 優良誤認(5条1号) | 汚れが一拭きで完全に消えるAI演出 | 実写で、実際に落ちる範囲だけ見せる |
| 有利誤認(5条2号) | 実際の販売条件と違う価格・特典のテロップ | 商品ページの値と突き合わせる |
| 不実証広告規制(7条2項) | 効果の映像はあるが裏付け資料がない | 根拠を出せる範囲まで表現を下げる |
| 薬機法(効能効果) | AIアバターが症状の改善・治癒を語る | 効能に触れず、使用感と仕様の説明に寄せる |
| 体重管理の主張 | AI生成のビフォーアフターで体型変化を提示 | 体型変化を主眼にしない |
| ステマ規制 | AIアバターに一般消費者の感想を語らせる | 事業者の表示と分かる形にする |
出典:消費者庁「優良誤認とは」「有利誤認とは」、厚生労働省「医薬品等の広告規制について」、公式ヘルプ(2026年9月2日確認)
ステマ規制は2023年10月1日に施行され、消費者庁は規制対象は商品・サービスを供給する事業者(広告主)であり、依頼を受けたインフルエンサー等の第三者は規制対象とならないと説明しています。AIアバターに「使ってみた感想」を語らせる構図は、責任がセラー側に寄る前提で設計します。
06背景・テロップ・人物で段が変わる
「AI動画は可か不可か」ではなくAIを何に使ったかで判断が変わります。下から積み上げると結論が安定します。
- 背景・環境から始める
実物の色・サイズ・質感の見え方を変えないなら扱いやすい層。ただし本来想定されない使用環境を作ると禁止側です。
- テロップは商品ページを正とする
「公式の商品情報と異なる内容を表示または主張すること」は禁止です。生成後に必ず照合します。
- ナレーションは開示対象に置く
開示対象に「音声」が含まれます。台本が人でも、読み上げがAIなら開示します。
- アバターは架空に限定する
架空キャラクターの生成使用は可能ですが、実在の人物に似せるのは避けるよう案内されています。
- 専門家の見た目を作らない
医師・看護師・薬剤師・栄養士・美容やウェルネスの専門家として提示される人物像をAIで作ることは禁止で、公式ヘルプは「本ポリシーの重大な違反」とし、Eコマース機能の利用停止につながる場合があるとしています。
健康・美容はさらに一段厳しく、臓器や身体機能・疾患を描いた刺激の強い画像で購入を促すこと、恐怖感や嫌悪感で販売を促進することが禁止されています。
07公開前に12項目を機械的に潰す
毎回議論すると担当者ごとに結論が変わります。生成の直後に次の12項目を上から確認し、1項目でも「いいえ」があれば公開しません。
| # | 確認項目 | 合格の状態 |
|---|---|---|
| 1 | AIの関与範囲を書き出したか | 映像・音声・アバター・デモのどこに使ったかが残っている |
| 2 | 開示を入れたか | 画面内・表示ツール・タイトル説明文のいずれかで明示 |
| 3 | 商品ページと照合したか | 価格・サイズ・素材・付属品が一致 |
| 4 | 大きさとパッケージは実物か | 比較物との比率、ロゴ・表記・色が実物どおり |
| 5 | 存在しない機能を足していないか | 発光・特殊効果・可動部が実機どおり |
| 6 | 効果の演出が実測の範囲か | 落ちる・消える度合いを実写で再現できる |
| 7 | ビフォーアフターを使っていないか | 使用前後の対比表現がない |
| 8 | 効能効果を語っていないか | 治癒・改善・予防に触れる音声とテロップがない |
| 9 | 人物像がなりすましでないか | 有名人・専門家・公人・公的機関を想起させない |
| 10 | 恐怖訴求になっていないか | 身体内部の刺激的な描写や不安の煽りがない |
| 11 | 使い回しでないか | 台本・構成・ビジュアルが直近の投稿と重複しない |
| 12 | 破綻を目視したか | 指・顔・文字・口の動きと音声のずれがない |
公開前チェック表:公式ヘルプの禁止項目と国内法令の観点から作成(LEAM作成)
この表は編集の最後ではなく生成の直後に通します。公式ヘルプも「公開前にAI生成コンテンツの内容を確認し、商品仕様、価格、使用方法などの情報が正確であることを確認する」ことを推奨しています。編集後に差し戻すと作り直しの工数が跳ねます。
08人が出る動画とは工程を分けて組む
AIが向くのは、商品カットの角度を増やす、吹き替えや言語を展開する、切り口の候補を短時間で複数作る量と速さが効く工程。人が向くのは、質感やサイズを手元で示す、使用手順を通しで見せる、コメントに答える検証と信頼が効く工程です。AIで候補を出し、反応した切り口だけを人が撮り直します。ただし量産禁止と矛盾しないよう、候補は同一構成の複製ではなく訴求そのものを変えたものに。構成の型はショート動画の作り方を参照してください。
違反時に起きることも公式ヘルプに書かれています。執行措置は違反の性質・重大性・頻度・影響に応じて変わり、投稿機能の一時的な制限(例として30日間で投稿できる動画数を15本までに制限)やトラフィック制限が含まれます。繰り返しや重大な悪影響があればアカウント停止、Eコマース利用資格の剥奪、成果報酬の差し止めもあります。判定が誤りと考える場合は違反通知から異議申し立てができます。
09まとめ
着手する順に並べます。上から片づけると判断で止まりません。
10よくある質問
AI生成動画はTikTok Shopで使ってよいのですか?
TikTok Shopでは、開示は必ず投稿画面のスイッチを使わないといけませんか?
TikTok Shopでは、背景だけAIで差し替えた場合も開示は必要ですか?
TikTok Shop公式のAI動画制作ツールで作った動画は自動でラベルが付きますか?
TikTok Shopでは、AIで作ったビフォーアフターは、開示すれば使えますか?
TikTok Shopのポリシーに違反すると何が起きますか?
LEAMはTikTok Shopの立ち上げ・コンテンツ・クリエイター連携・運用改善を支援しています。商材と訴求を伺い、公式ポリシーと国内法令のどこに当たるかを一緒に確認します。
11参考にした公式情報
以下はすべて2026年9月2日に確認しました。TikTok Shop公式ヘルプは日本向け(適用対象:日本)のページです。
- TikTok Shop公式:AI生成コンテンツ(AIGC)(2026年3月31日更新)
- TikTok Shop公式:AI生成コンテンツ(AIGC)の解説(2026年8月19日更新)
- TikTok Shop公式:コンテンツ・ポリシー(2026年6月15日更新)
- TikTok Shop公式:AI動画制作ツール(2026年6月4日更新)
- TikTok Shop公式:医薬的な効能効果の不適切な表示
- TikTok Shop公式:体重管理の主張(2026年6月12日更新)
- 消費者庁:優良誤認とは
- 消費者庁:有利誤認とは
- 消費者庁:一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示
- 厚生労働省:医薬品等の広告規制について
ポリシー・画面名称・提供機能・生成上限は更新されます。本記事は公式情報と、当社が作成した判断フレーム・チェック表を区別して記載しました。公式に明記がない論点は、明記がないことを本文に書いています。個別の表現の適法性判断は専門家にご確認ください。