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GMV Maxとは?2種類の違い・費用・設定・改善までTikTok Shop広告の完全ガイド

執筆:株式会社LEAM 編集部

GMV Maxは、TikTok Shopの売上(GMV)が最大になるように、TikTokが配信を自動で最適化してくれる広告です。商品を売るための「Product GMV Max」と、ライブ配信を伸ばす「LIVE GMV Max」の2種類があり、細かいターゲティング設定が不要になる一方で、素材とショップの土台が整っていないまま回すと費用だけが先行する広告でもあります。この記事では、2種類の違い・費用の仕組み・始める前の準備・設定の流れ・伸びない時の改善手順までを、実際の運用相談で多いつまずきに沿って解説します。

▼ この記事でわかること
  • GMV Maxの仕組みと、Product/LIVEの2種類の使い分け
  • 費用の仕組みと、赤字にならないための損益ラインの作り方(試算例つき)
  • 成果が出ない時に、どの順番で原因を疑うべきか
広告を始める前のご相談を承っています

GMV Maxの成果は、商品ページ・動画素材・クリエイター起用といった土台に左右されます。現状のショップを拝見して、広告を始める前にやっておくべきことをお伝えします。

01GMV Maxとは:売上最大化に自動最適化するTikTok Shop専用広告

GMV Maxは、TikTok ShopのセラーがGMV(流通取引総額=売上)を最大化するために使う、TikTok Shop専用の自動最適化広告です。従来の広告のように配信面・オーディエンス・入札を細かく設定するのではなく、商品と動画素材を渡すと、TikTok側が「誰に・どの素材を・いくらで」見せるかを自動で判断します。

従来の手動運用 入札 配信面 ターゲティング クリエイティブ差し替え 毎日の手作業 GMV Max 人が決めるのは商品・予算・ROI目標だけ 入札・配信先・素材の組み合わせは TikTokが自動で最適化 人の仕事は「素材の供給」に集中できる
図1:手動運用との違い。管理の手間が減る分、素材づくりに集中できる(LEAM作成)

手動運用との違いを整理すると、次のようになります。

項目GMV Max従来の手動運用
最適化の目標GMV(売上)に直結クリック・CV等を個別に設計
ターゲティング自動(学習に任せる)手動で細かく設定
使う素材自社動画+提携クリエイターの動画・ライブをまとめて活用キャンペーンごとに指定
運用者の仕事素材の供給と、予算・ROI目標の調整入札・配信面・クリエイティブの細かな管理
いま選べるかTikTok Shop広告で新規に作れる唯一のキャンペーン2025年7月以降は新規作成・編集・複製ができない(既存キャンペーンの配信のみ継続)
💡 ポイント

「設定がラク」なのは事実ですが、正確には運用者の仕事が「管理画面の操作」から「素材とショップの土台づくり」に移る広告です。ここを誤解したまま回し始めてしまうのが、当社にご相談いただく中で最も多い失敗の形です。

02種類は2つ:商品を売るProductと、配信を伸ばすLIVE

GMV Maxには「Product GMV Max」と「LIVE GMV Max」の2種類があります。どちらを使うかで準備する素材が変わるため、最初に区別しておきましょう。

Product GMV Max @creator の紹介動画 スチームアイロン ¥12,800 カート ショート動画+商品カードで売る LIVE GMV Max LIVE 👤 12,438 配信中の限定セット いまだけ ¥2,980 配信への流入と配信中の購入を伸ばす
図2:2種類のGMV Max。物販の立ち上げ期はProductが主力(LEAM作成)

Product GMV Max:ショート動画と商品カードで「商品」を売る

対象商品に紐づくショート動画(自社投稿+クリエイターのアフィリエイト動画)や商品カードを束ねて、購入につながりやすいユーザーへ自動配信します。物販の立ち上げ期は、まずこちらが主力になります。

LIVE GMV Max:ライブ配信への流入と配信中の購入を伸ばす

ライブ配信を広告の対象にして、配信への視聴流入と配信中の購入を最大化します。ライブを定期開催できる体制ができてから乗せるのが実務的な順番です。

比較軸Product GMV MaxLIVE GMV Max
売る場面ショート動画・商品カード経由の購入ライブ配信中の購入
必要な素材商品に紐づく動画(多いほど有利)定期的なライブ配信の体制
始めるタイミング出店直後からOK。最初の主力ライブを週数回・同じ時間帯に回せるようになってから
成果の出方学習が進むにつれ徐々に伸びる配信の質・頻度に連動して動く
💡 迷ったら

Product GMV Maxから始めてください。ライブは「継続できる体制」が先で、広告はその後です。単発のライブに広告を乗せても学習が蓄積されず、費用対効果が安定しません。

03仕組み:商品・動画・ライブを束ねてTikTokが配信先を学習する

GMV Maxは、対象の商品に紐づく動画素材やライブ配信をまとめて広告在庫として扱い、購入につながりやすいユーザーへ自動配信します。配信結果は学習データとして蓄積され、回すほど「どんな人がこの商品を買うか」の精度が上がっていきます。

商品情報 価格・在庫・商品ページ 動画・ライブ素材 自社+クリエイター動画 予算・ROI目標 日予算と目標値 GMV Max 組み合わせと配信先を 自動で最適化 購入(GMV) おすすめ面・検索・ショップ面へ配信 購入データを学習して配信精度が向上
図3:GMV Maxの学習ループ。素材を供給し続けるほど学習が進む構造(LEAM作成)

この構造から導かれる実務上の結論はシンプルです。学習の材料になる動画素材が少ないショップでは、GMV Maxは本来の性能を出せません。クリエイターのアフィリエイト動画が継続的に増えていく状態を先に作ることが、広告成果の前提条件になります。クリエイター起用の進め方はサービス紹介でも解説しています。

04費用は「予算×成果」で決まる:先に損益ラインを作る

GMV Maxに固定料金はなく、設定した予算の範囲でオークション配信され、成果(GMV)に応じて消化される仕組みです。だからこそ重要なのは「いくら使うか」ではなく、「ROIがいくらを下回ったら赤字か」を先に数字にしておくことです。

損益ラインの試算例:広告に使える余地を先に計算する

例として、販売価格3,000円の商品で考えます(数値は説明用の仮の例です)。

項目金額(例)備考
販売価格3,000円
原価−900円仕入れ・製造
プラットフォーム手数料−α料率は改定されるため最新の公式情報で確認
クリエイターへのコミッション−300円10%で設定した場合
送料・梱包・その他−400円
広告に使える上限(限界CPA)残りの全額ここを超えたら「売れても赤字」
原価 手数料 報酬 送料等 広告に使える余地 =限界CPA 販売価格 3,000円(説明用の例) この範囲に収まるROI目標を設定する
図4:損益ラインの構造。広告設定の前に「使える余地」を確定させる(LEAM作成)
⚠️ 注意:「最大配信」系の設定はROIが不安定になりやすい

ROI目標を置かず配信量を優先するモードは、立ち上げ直後に学習を早める用途では有効ですが、損益ラインを決めないまま使うと「売れているのに赤字」に気づけません。まずROI目標つきで回し、意図を持って一時的に使い分けるのが安全です。※ROIを一定条件で保護する仕組みの提供状況はアカウント・時期により異なるため、管理画面と公式ヘルプで確認してください。

💡 ROI目標の置き方で、販売手数料が下がることがある

公式のGMV Maxによる販売手数料割引には、適用の条件として「ROI目標がROI推奨値以下であること」「予算が推奨値以上、またはオートバジェットを使用していること」が挙げられています(有効期間は適用開始から14日間。割引後も最低販売手数料率3.5%を下回らず、既存キャンペーンには自動適用されません/2026年9月7日確認)。

ただしROI目標を推奨値まで下げれば、1件あたりに使う広告費は増えます。割引で浮く手数料と、目標を下げて増える広告費のどちらが大きいかは商品ごとに違うので、上の限界CPAの計算に当てはめて比べてから決めてください。手数料が下がるから、が理由にはなりません。

05始める前に整える3つの土台で、成果の大半が決まる

運用のご相談で「GMV Maxを回したが費用ばかりかかった」というケースを拝見すると、原因のほとんどは広告の設定ではなく、回す前の土台にあります。着手前に次の3点を確認してください。

土台確認すること目安
① 商品ページ画像・説明文・価格が「動画を見て来た人」の温度感に合っているか。レビューが極端に悪くないか広告の着地先として第三者に見てもらい違和感がないこと
② 動画素材の供給自社動画だけでなく、クリエイターのアフィリエイト動画が継続的に生まれる体制があるか学習の材料が毎週増えていく状態
③ 計測と損益ライン§04の試算を済ませ、許容ROIを数字で決めてあるか「ROIいくらまでなら黒字か」を即答できること
GMV Max(広告) ③ 損益ライン(許容ROIを数字で決める) ② 動画素材の供給(クリエイター起用が毎週回る体制) ① 商品ページ(動画経由の目線で違和感がない)
図5:3つの土台の上に広告が載る。下の層が薄いほど広告費は空回りする(LEAM作成)

なお、GMV Maxは大企業専用の仕組みではなく、TikTok Shopに出店しているセラーであれば規模を問わず利用できます(利用条件は公式ヘルプで確認してください)。規模より「素材が供給され続ける体制があるか」の方が成果を左右します。

06設定の流れは5ステップ:切り替え時の注意も確認

設定自体は難しくありません。大まかな流れは次の通りです(※管理画面の名称・画面構成は更新されることがあります。最新の表記は公式ヘルプをご確認ください)。

  1. 広告アカウントとTikTok Shopを接続する

    セラーセンターと広告マネージャーの連携を確認します。既に出店済みなら数分で終わります。

  2. GMV Maxキャンペーンを作成し、種類(Product/LIVE)と対象商品を選ぶ

    最初は全商品ではなく、売れる見込みが最も高い主力商品に絞るのが定石です。

  3. 使用する素材(動画・ライブ)の範囲を確認する

    自社動画に加え、提携クリエイターの動画が対象に含まれているかを確認します。

  4. 日予算とROI目標を設定する

    §04の損益ラインから逆算して設定します。最初から攻めすぎず、学習が回る予算を数週間維持する前提で組みます。

  5. 配信開始後は「素材の追加」を止めない

    配信オンにして終わりではなく、新しい動画素材を供給し続けることが運用の本体です。

⚠️ 既存の広告キャンペーンから切り替える場合

同じ商品を対象にした既存のショップ広告とは配信が重複・競合する場合があり、切り替え時に既存キャンペーンの扱い(停止・併走)を決めてから移行する必要があります。移行のタイミングで数値が一時的に動くことも織り込んでおきましょう。

TikTok Shopの広告運用のご相談を承っています

当社は市場データを毎営業日蓄積しており、商品の選定からクリエイターの起用、広告の目標設定までを一次データにもとづいてご提案します。広告の設定だけでなく、その前提になる土台づくりからご相談いただけます。

07成果が出ない時は「素材の量と質」から順に疑う

「回しているのに伸びない」時、管理画面の数値をいじる前に、次の順番で原因を切り分けます。上から順に、実際の相談で多い原因です。

回しているのに伸びない Q1. 動画素材は毎週増えている? NO 原因1:素材不足 クリエイター起用を強化 YES Q2. クリックはあるのに買われない? YES 原因2:商品ページ 価格・画像・レビュー見直し NO Q3. 売れてはいるが利益が出ない? YES 原因3:損益ライン超過 ROI目標と客単価を見直し NO Q4.(LIVE)配信は定時・定期? NO 原因4:配信が不定期 曜日・時間帯を固定して継続 土台はOK 週次でROI目標と素材の当たりを微調整
図6:伸びない時の診断フロー。管理画面より先に、この順で切り分ける(LEAM作成)

原因1:学習に足りる動画素材が供給されていない

公式アカウントの動画数本だけで回しているケースです。GMV Maxの学習材料が足りず、配信が広がりません。対処は広告設定ではなくクリエイター起用の強化で、アフィリエイト動画の本数を増やすことが先決です。TikTok Shopは提供開始から1年間(2025年6月30日〜2026年6月30日)で流通総額の70%以上が動画やライブなどのコンテンツを起点とした購入とされており(ByteDance「TikTok Shop、日本での提供開始から1年」・2026年7月28日発表)、素材の供給が細いと広告だけでは埋められません。

原因2:商品ページで離脱している

動画はクリックされているのに購入に至らない場合、着地先の商品ページに原因があります。価格の納得感・画像の質・レビューを、動画経由の目線で見直します。

原因3:獲得単価が損益ラインを超えている

売れてはいるが利益が出ない状態です。ROI目標の調整とあわせて、そもそもの商品単価・セット構成(客単価)を見直す方が効く、というのが当社の運用実感です。広告の中だけで解決しようとしないのがコツです。

原因4:ライブの頻度・時間帯がバラバラで学習が積み上がらない

LIVE GMV Maxの場合に多いつまずきです。単発・不定期の配信では視聴者も学習も蓄積されません。曜日と時間帯を固定して継続する体制を作ってから広告を乗せ直します。

💡 ポイント

この切り分けを毎週の定例で回すのが、TikTok Shop運用の実務です。LEAMでは約1.2〜1.5ヶ月を1サイクルとして「検証→当たった型に寄せる」を繰り返します。

08手動運用はもう選べない:検証はGMV Maxの中で組む

結論から言うと、TikTok Shopを販売先にするSales目的の広告では、2025年7月以降 GMV Max 以外のキャンペーンを新しく作れません。LIVE Shopping Ads・Product Shopping Ads・Video Shopping Ads は、作成も編集も複製もできなくなりました(TikTok Ads Manager公式ヘルプ「About GMV Max migration for TikTok Shop Ads」・2026年9月7日確認)。2025年7月より前に作った既存キャンペーンは配信が続きますが、編集できないため、いずれ役目を終えます。

つまり「主力はGMV Max、検証は手動で」という使い分けは、もう成立しません。検証はGMV Maxの中で組みます。商品ごとにキャンペーンを分ける、素材の供給を止めて反応を見る、日予算とROI目標を1つずつ動かす——変える変数を1つに絞れば、自動入札でも比較はできます。

立ち上げ期 拡大期 安定期 GMV Max = 唯一のキャンペーン(学習を切らさない) 商品を分けて比べる 素材と予算を1つずつ動かす 検証はGMV Maxの中で、変える変数を1つに絞って行う
図7:GMV Maxは全フェーズで唯一のキャンペーン。検証はその中で組む(LEAM作成)

09よくある質問

GMV Maxの予算はいくらから始めるべきですか?
商材の粗利構造と許容ROIによるため、一律の正解額はありません。重要なのは金額の大小より「学習が回る予算を数週間維持できるか」です。判断の順番は、先に損益分岐ROASを出し、そのうえで日予算を上げたときに利益額が伸びるかを見ます(計算の型と日予算の増やし方はROAS基準と損益分岐の出し方で扱っています)。損益ラインの設計から無料相談で一緒に整理できます。
GMV MaxのProductとLIVE、どちらから始めるべきですか?
物販の立ち上げ期はProduct GMV Maxからが実務的です。LIVE GMV Maxは、ライブを定期開催できる体制ができてから乗せると費用対効果が安定します。
GMV Maxは個人事業主・小規模セラーでも使えますか?
使えます。規模よりも「動画素材が継続供給される体制」の方が成果を左右します。
クリエイターの動画がまだ無くてもGMV Maxは回せますか?
技術的には回せますが、学習材料が不足しがちで本来の性能が出にくい状態です。先にアフィリエイトでクリエイター動画が増える体制を作ることをおすすめします。
GMV Maxはどのくらいで結果が判断できますか?
学習期間を考慮し、数日で判断せず週単位で見ます。LEAMでは約1.2〜1.5ヶ月を1サイクルとして評価・改善しています。
GMV Maxは既存のショップ広告と併用できますか?
2025年7月より前に作成した LIVE/Product/Video Shopping Ads は配信が続くため併用自体は可能ですが、編集・複製・新規作成はできません。同じ商品を対象にすると配信が重複・競合する場合があるため、切り替え時に既存キャンペーンの扱い(停止・併走)を決めてから移行してください。
GMV Maxの広告運用だけ任せることはできますか?
可能ですが、成果の前提は素材供給と商品ページの土台にあるため、クリエイター起用とセットでのご支援が結果につながりやすいです。範囲はご相談ください。
LEAM
株式会社LEAM 編集部

TikTok Shopコンサルティングと、TikTok Shop特化MCN(クリエイター事務所)を運営。市場データを毎営業日自動で蓄積し、商品選定・クリエイター起用・広告運用を一次データに基づいて支援しています。中国・Douyinのライブコマース市場の知見をもとに、日本での立ち上げを逆算して設計します。

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広告を回す前に、素材の供給体制を整えられます

GMV Maxは素材が細ると学習が止まります。いまの動画本数とクリエイター起用の状況を伺い、供給を切らさない体制の作り方からお伝えします。

参考情報:TikTok Shop セラーセンター・TikTok for Business の公式ヘルプ(「TikTok広告マネージャーのGMV最大値キャンペーンについて」「About Product GMV Max」「About LIVE GMV Max」等)/TikTok Newsroom「TikTok Shop、日本での提供開始から半年が経過」(2026年2月3日)。仕様・画面・提供機能は更新されることがあります(本記事は2026年9月7日時点の情報に基づき、最新は一次情報でご確認ください)。本文中で「当社の運用実感」「当社では」と記した内容は、市場統計ではなく当社の支援案件での実務経験にもとづく見解です。