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インフルエンサーへの支払いとインボイス|TikTok Shop

執筆:株式会社LEAM 編集部
請求書、登録状況、帳簿の記録を同じ取引へ対応させる(編集部作成)

インフルエンサーから請求書を受け取るときは、報酬を払うための確認と、消費税の仕入税額控除に使う書類の確認を分けます。登録番号がないことだけで書類を見ずに処理せず、相手の登録状況、対象の取引、必要な記載事項を確かめましょう。この記事では、TikTok Shopで紹介を依頼する企業向けに、国税庁の記載事項と経過措置を整理し、受け取る側の確認表を示します。

この記事でわかること
  • 支払いと消費税の仕入税額控除を分ける考え方
  • 未登録事業者等との取引について確認する経過措置の期間・割合
  • 請求書を受け取る企業側の記載事項の確認表

01インボイス制度では、払う企業側の仕入税額控除に使う書類を確認します

インボイス制度は、適格請求書等保存方式という消費税の仕入税額控除の方式です。仕入税額控除とは、売上げに係る消費税額から、課税仕入れ等に係る消費税額を差し引くことです。国税庁の概要資料は、控除のために、一定の事項を記載した帳簿と適格請求書等を保存する仕組みを説明しています。

この記事でいう受け取る側は、クリエイターへ紹介を依頼し、その報酬を支払う企業です。TikTok Shopで商品を買う一般のお客様へ発行する書類の説明ではありません。個人のクリエイターから、自社が依頼した仕事について請求書を受け取る場面として読んでください。

適格請求書、いわゆるインボイスは、売手が買手へ適用税率や消費税額等を伝えるための書類です。国税庁No.6625は、適格請求書等を交付できるのは、登録を受けた適格請求書発行事業者であると説明しています。請求書という題名が付いていることだけで、適格請求書としての条件がそろうわけではありません。

分けて確認すること見る資料・情報確認する目的
依頼した仕事と支払い契約、依頼内容、合意した報酬何の対価を、誰へ払うかを確かめる
相手の登録状況登録の回答、登録番号、対象の取引どの書類として確認するかを整理する
請求書の記載事項発行者、取引内容、税率ごとの金額など仕入税額控除の確認に使う内容をそろえる
自社の消費税の扱い経理が確認する計算方法と保存の要件自社に当てはまる処理を確認する

支払いとインボイスの確認を分ける表(国税庁資料に基づき編集部作成)。

相手が登録しているかという情報と、仕事の完了や支払いの合意は、同じものではありません。請求書に不足がある場合は、何の情報が足りないかを整理し、確認する相手へ戻します。登録状況だけで、依頼した内容や合意した報酬の記録まで確認済みにしないようにします。

また、消費税の計算には、簡易課税など、実際の仕入税額を使う方法と異なる仕組みもあります。ここでは、実際の課税仕入れと受け取る書類を確認する場面を中心に扱います。相手の登録番号を見る前提として、自社がどの方法で消費税を計算するかを、経理担当とそろえましょう。

マーケ担当は、依頼した仕事と報酬を受け取る相手が分かる情報を用意します。経理担当は、自社の扱いと必要な資料を確認します。書類を受け取っただけで全ての確認を終えず、どこまでを確認できたかが次の担当者へ伝わるようにしてください。

同じ依頼の記録仕事の完了と報酬の合意何の対価を誰へ払うか請求書と消費税の確認自社の控除と保存する資料
報酬の合意と、仕入税額控除の資料を分けて確認する(編集部作成)

02未登録事業者等からの仕入れは、改正後の経過措置の期間と割合を確認します

国税庁のインボイスQ&A問113は、適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れについて、原則として仕入税額控除を行うことができないと説明しています。そのうえで、一定期間は、仕入税額相当額の一定割合を控除できる経過措置を示しています。割合だけでなく、保存する書類などの要件も確認します。

2026年11月5日に取り直した、国税庁の令和8年4月改訂の問113と令和8年度改正資料では、次の期間・割合が示されています。2026年10月からの割合は70%です。古い予定のまま50%として処理を決めず、改正後の資料で対象期間を照合してください。

経過措置の期間控除できる割合割合が掛かる対象
2023年10月1日〜2026年9月30日80%仕入税額相当額
2026年10月1日〜2028年9月30日70%仕入税額相当額
2028年10月1日〜2030年9月30日50%仕入税額相当額
2030年10月1日〜2031年9月30日30%仕入税額相当額
2031年10月1日以後この経過措置の対象期間外ほかの取扱いと混同せず確認する

国税庁インボイスQ&A問113「免税事業者等からの仕入れに係る経過措置」(令和8年4月改訂)と令和8年度税制改正特集に基づき編集部作成。2026年11月5日取得。

この70%などの割合は、クリエイターへ払う報酬の割合ではありません。消費税の仕入税額相当額について、経過措置によって控除できる割合です。相手への振込額にそのまま掛けたり、報酬を減らす率として使ったりせず、自社の消費税の計算で確認する情報として扱います。

経過措置を受けるには、区分記載請求書等と同様の事項が書かれた請求書等と、必要な事項を記載した帳簿の保存が要件です。帳簿には、経過措置の適用を受ける課税仕入れである旨の記載も必要とされています。未登録だから書類は不要という扱いにはせず、適格請求書とは別の保存要件を確認します。

適用の上限もあります。問113は、2026年10月1日以後に開始する課税期間では、一の免税事業者等からの対象となる課税仕入れの合計が、その年または事業年度で税込み1億円を超える場合、超えた部分には適用できないと説明しています。割合の期間と、上限に関する課税期間の条件を分けて読んでください。

国税庁のいう免税事業者等には、登録を受けていない課税事業者も含まれています。登録番号がないという情報から、相手が必ず免税事業者であると決めないことが大切です。相手の登録状況と、自社が経過措置を検討する取引かどうかを、別の欄へ残します。

取引年月日と、請求書の発行日・振込日も、同じ日として扱わないようにします。どの仕事の取引について資料を受け取ったかを残し、日付が異なる場合は、その違いを経理へ引き継ぎます。振込の予定だけから期間の判定を済ませず、対象の取引の情報をそろえて確認してください。

問113が経過措置の請求書等に求める内容は、作成者の氏名または名称、取引年月日、資産または役務の内容、税率ごとに合計した税込価額、交付を受ける事業者の氏名または名称です。軽減税率の対象である場合は、その旨も含まれます。登録番号を求める表とは分け、この記載事項に沿って受け取った資料を読みます。

帳簿では、相手方の氏名または名称、仕入れの年月日、資産または役務の内容と経過措置の対象である旨、支払対価の額を確認します。請求書を保存することと、帳簿に必要な内容を記録することは、別々の確認です。担当が分かれる場合は、書類の受領担当から経理へ、対象の取引が特定できる形で引き継ぎます。

対象の期間取引の情報を照合控除できる割合仕入税額相当額に対応適用上限の条件課税期間の開始を確認資料の保存要件請求書等と帳簿を用意合わせて確認する
経過措置は期間・割合・上限・保存要件を合わせて読む(編集部作成)

03請求書は、登録番号だけでなく国税庁の記載事項を一緒に確認します

国税庁No.6625とインボイスQ&A問54は、適格請求書に必要な記載事項を説明しています。登録番号はその一部です。番号があることだけで確認を終えず、発行者、取引年月日、取引内容、税率ごとの金額、消費税額等、自社の名称を合わせて見ます。

次の表は、クリエイターから受け取る通常の請求書を確認するためのものです。国税庁の記載事項を左側に置き、受け取る担当者が何と照合するかを右側へ並べました。請求書の題名や見た目の書式だけで判断せず、必要な内容が読み取れるかを確かめてください。

国税庁が示す記載事項受け取る企業側の確認不足・不一致がある場合
書類作成者の氏名または名称および登録番号発行者と依頼した相手の対応、登録番号を確認する誰の請求か、どの登録に基づく書類かを確認する
取引年月日どの仕事の取引か、依頼の記録と対応させる発行日や支払予定日だけで補わず、対象を確かめる
取引内容(軽減税率の対象品目である旨)何の仕事の対価か、対象となる内容を読む依頼内容との違いや、必要な記載を確認する
税率ごとに区分して合計した税込対価または税抜対価の額、および適用税率金額が税込・税抜のどちらか、税率ごとの合計を確認する合意した報酬と税率別の記載の対応を確かめる
税率ごとに区分した消費税額等対価の額と区別して、消費税額等の記載を確認する総額だけで確認済みにせず、発行者へ確認する
書類の交付を受ける事業者の氏名または名称自社が受け取る書類として名称が対応するかを見る別の依頼先・別の企業名と混ざっていないか確認する

国税庁No.6625およびインボイスQ&A問54に基づき編集部作成。通常の適格請求書を対象とした確認表です。

適用税率と、税率ごとの消費税額等は、別の記載事項です。「税込みの総額がある」「税率が書いてある」といった一つの情報だけで、ほかの記載まで済んだことにしません。必要な項目を分けて確認することで、どこが足りないかを発行者へ具体的に伝えられます。

登録番号を照合する際は、国税庁適格請求書発行事業者公表サイトの登録情報も確認先になります。国税庁の概要資料には、登録番号や登録年月日などの公表事項が説明されています。相手の回答と書類が対応するか、対象の取引について確認できるかを読み、確認した情報へ戻れるようにします。

相手が未登録の場合は、上の適格請求書の表をそのまま全て埋めてもらう案内にはしません。経過措置では、問113にある請求書等の記載事項と帳簿の要件を確認します。どちらの書類として確認しているかを明らかにし、登録番号のない書類を適格請求書と呼び替えないようにしてください。

請求書を受け取ったら、対象となる依頼と一緒に保存先を残します。どの投稿・制作の対価かが分からないと、形式上の項目だけでは支払いの確認ができません。仕事の完了を読む資料と、消費税の控除を読む書類を対応させ、別の依頼の請求書が混ざっていないかも確認します。

確認中に不足が見つかった場合は、何を誰へ確認しているかを記録します。自社で推測して登録番号や税額を埋めるのではなく、発行者の資料と必要な記載を確かめます。受領したこと、記載内容を確認したこと、処理できる状態になったことを分けて管理しましょう。

不足の連絡は、表の左側にある項目名を使うと整理できます。「請求書を直してください」だけで返さず、どの取引のどの記載を確認したいかを伝えます。受け取った版と確認後の版を取り違えないようにし、社内で照合した書類の保存先を一つの依頼の記録からたどれるようにします。

社内の確認欄には、項目名、確認した内容、参照した書類、確認日、確認した担当、残っている質問を置くと引継ぎに使えます。たとえば登録番号を転記しただけなら、登録情報との照合はまだ別の作業として残します。確認欄に印を付けるときは、何を読んで確認したのかが分かる短い記録を添えてください。

04登録の有無と報酬の決め方は、依頼の前に相手と確認します

請求書が届いてから初めて登録の有無を尋ねるのではなく、依頼を決める前に確認します。登録済み、未登録、申請中や未確認といった状態を分け、回答した日を残してください。申請しているという説明と、登録を受けている状態を同じ欄にまとめないことが大切です。

報酬の決め方では、何の対価を払うかと、金額の税込・税抜の扱いをそろえます。依頼する人と経理担当が違っても、同じ合意内容を読める形にします。登録状況と報酬の合意は別の情報として残し、控除割合から自動的に振込額を決めることはしません。

依頼前に確かめる項目相手とそろえる情報社内に残すこと
契約する相手誰にどの仕事を依頼し、誰から請求を受けるか窓口、発行者、支払先の関係
登録の有無登録済みか、未登録か、確認中か回答日と追加で確認する情報
対象の取引どの制作・投稿などについて支払うか依頼内容と、確認する取引年月日
報酬の表示合意する額と税込・税抜の扱い請求書の金額を照合する根拠
請求書の確認必要な書類と、確認をやり取りする相手受領先、確認担当、資料の保存先
変更があった場合登録状況や仕事の内容が変わったときの連絡今回の取引で確認し直す項目

登録状況と依頼条件をそろえる表(編集部作成)。

仕事内容や報酬の合意を整理するときは、クリエイターとの契約前に決めることを参照してください。契約の全体をこの確認表へ詰め込まず、請求書で照合する前提を引き継ぎます。仕事の範囲と請求する相手が分かることが、受領後の確認にもつながります。

継続的に紹介を依頼する場合は、前に受け取った請求書だけで次の登録状況まで判断しません。登録や契約相手の変更について、どの取引から内容が変わるのかを確認します。継続起用の条件を整理する際は、継続して紹介を頼む場合の契約の整理へ分けて確認してください。

登録の確認と、源泉徴収の確認も別の作業です。インボイスは消費税の控除に関わる資料であり、報酬の源泉徴収の要否を登録番号だけで判断するものではありません。報酬の中身についての確認は、インフルエンサー報酬の源泉徴収の整理を参照してください。

社内の進行管理では、請求書を受け取ったという状態と、記載事項を照合した状態を分けます。クリエイターの進行管理表へ、誰のどの確認を待っているかが読める形で引き継ぎましょう。未確認の項目がある段階を、支払いに関する確認完了へ変えないようにします。

請求書を受領届いた資料を保存記載事項を照合今回の取引と対応社内の扱いを確認根拠と前提を残す不足がある段階は、確認中として引き継ぐ
受領、照合、社内の確認を別の状態として引き継ぐ(編集部作成)

05自社の扱いに迷う場合は、登録状況と取引の資料をまとめて確認します

経過措置の期間と割合を読めても、自社の取引で適用できるかまで確認が終わるとは限りません。自社の計算方法、相手の登録状況、対象となる取引と保存する資料を合わせて整理します。インフルエンサーという呼び名だけで、同じ扱いになると考えないようにしましょう。

個別の取引で仕入税額控除や経過措置が適用できるかは、税務署か税理士に確認してください。相談する資料には、依頼内容、報酬の合意、受け取った請求書、相手の登録状況、自社の処理で分からない点をまとめます。何が未確認なのかが分かる状態で持ち寄ることが重要です。

確認したいこと一緒に用意する資料確認結果と残す前提
どの書類の要件で確認するか相手の登録状況と、受け取った請求書適格請求書か、経過措置の書類か
どの期間・割合を確認するか対象の仕事と取引年月日、課税期間の情報割合と、適用条件の確認結果
書類と帳簿の情報が足りるか請求書と経理の記録追加する必要のある資料・確認先
自社の計算方法でどう扱うか消費税の計算方法と、今回の取引の資料自社について確認した処理と根拠

確認のために事実関係をそろえる表(編集部作成)。

確認結果を社内へ戻すときは、要否や可否だけでなく、どの取引を前提にした判断かを残します。登録の有無や取引の内容が変われば、前の回答をそのまま使えるとは限りません。根拠にした資料と確認日をそろえ、次の担当者が同じ前提を読み返せるようにします。

判断に必要な情報が足りない場合は、相手の書類の不足なのか、社内の取引情報が足りないのかを分けてください。全てを発行者へ戻すのではなく、自社で確認できる依頼内容や課税期間もそろえます。資料を受け取り直す作業と、自社の処理を確認する作業を並べて進めましょう。

質問をまとめるときは、国税庁の一般的な説明を読んでも分からない部分を具体化します。たとえば、相手が未登録であることは分かっているが、保存している書類と帳簿の内容が要件に沿うかが未確認、という形です。資料の不足と制度上の判断を分ければ、確認結果を次の処理へつなげやすくなります。

06まとめ:登録の確認、請求書の記載、帳簿の保存を同じ取引へ対応させます

インフルエンサーへの支払いでは、報酬の合意と、仕入税額控除に使う書類の確認を分けます。相手が登録している場合は、登録番号だけでなく適格請求書の記載事項を合わせて見てください。未登録事業者等との取引では、経過措置の期間・割合と保存の要件を確認します。

依頼の前に登録状況と報酬の決め方をそろえ、受領後は、今回の仕事と請求書が対応するかを確かめます。書類を受け取ったことを確認完了とせず、経理が読む資料と同じ取引へつなげることが、支払いまで見通した準備になります。

07よくある質問

請求書という題名なら、インボイスとして扱えますか?
題名だけでは判断しません。登録を受けた発行者か、必要な記載事項がそろっているかを確認します。依頼した相手や取引の内容と対応させ、どの書類として扱うかを整理してください。
2026年10月からの経過措置は、以前聞いた50%のままですか?
2026年11月5日に確認した国税庁の改正資料では、2026年10月1日から2028年9月30日は仕入税額相当額の70%です。古い予定を流用せず、期間と保存要件、適用の条件を合わせて確認してください。
70%という割合を、クリエイターへの振込額に掛けるのですか?
報酬の支払割合ではありません。経過措置で控除できる仕入税額相当額の割合です。合意した報酬の確認と、自社の消費税の計算を分けて扱ってください。
登録番号がなければ、請求書や帳簿の保存は不要ですか?
不要にはなりません。経過措置では、区分記載請求書等と同様の事項が記載された請求書等と、必要な記載をした帳簿の保存が要件です。適格請求書とは別に、確認する書類と記録をそろえます。
相手から登録申請中と聞いていれば、登録済みとして確認を終えてよいですか?
申請中と登録済みを分けて記録します。対象の取引と登録状況が対応するかを確認し、足りない情報を残してください。連絡を受けたことだけで、必要な書類の確認まで完了にしないようにします。
請求書を受け取った工程と、内容を確認した工程は分けますか?
分けて残します。受領後に記載事項や取引との対応を確かめ、経理側の確認が終わった内容を記録します。不足があれば、誰へ何を確認しているかを進行管理へ引き継いでください。
支払いまで見通した起用の段取りを相談したい方へ

LEAMの「クリエイターアサインパック」は、直近の売上の記録を確かめて選んだクリエイター複数名に、商品の紹介をまとめて依頼できるプランです。候補選び・依頼・進行の管理・投稿の確認まで当社が行います。商材やご予算に合うかどうかから、ご相談ください。

LEAM
株式会社LEAM 編集部

TikTok Shopコンサルティングと、TikTok Shop特化MCN(クリエイター事務所)を運営。市場データを毎営業日自動で蓄積し、商品選定・クリエイター起用・広告運用を一次データに基づいて支援しています。中国・Douyinのライブコマース市場の知見をもとに、日本での立ち上げを逆算して設計します。

参考情報

公式資料は2026年11月5日に取得しました。期間・割合・記載事項は国税庁の資料に基づき、社内での受領・照合・引継ぎの手順は編集部の提案として整理しています。

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